*箱舟 [#z3550931] #contents **箱舟の目的 [#e666e84b] 箱舟は、第六紀終焉の50年以上前から計画・建造されていたものであり、当初は天文と地文の共同プロジェクトだった。 その後、40年ほど経過した後に天文がこの計画から手を引き、実質途中で頓挫したプロジェクトとなっている。 形状は限りなく球状に近く、航行も当然大事ではあるが、それ以上に人々の居住空間が大事であるが故に、中心重力船として設計されている。 中心重力船とは、船の中心部に重力源があるもので、それによって収容人数が大幅に向上する他、惑星と同じく重力場が有害放射線から身体を護ってくれる。 箱舟の目的を簡単に言えば''「コールドスリープを繰り返しつつ、ラシェーラと似た惑星を探し航行する宇宙船」''である。 人々は箱舟に乗り込み、その殆どはコールドスリープをしながら、1000年を越える超長期航行を行う。 そして最終的に、ラシェーラと同じ環境を持つ惑星に辿り着き、そこに移住するのだ。 **第7紀、箱舟の状態 [#n6dfb509] PS3版開始時(第7紀)、箱舟は未だ人が住める惑星を目指して航行中という事になっている。 人々は、1000年ごとに10年、コールドスリープから目覚め、生活をする事になっている。 コールドスリープは、10年単位で100区画、交代で行われる。 区画ごとに起床する日時が違うため、起きても自分たちのコミュニティの人達しかいない。 厳密には、遠く離れた区画には同じ時間帯に起きている人達もいるが、相当遠いので殆ど出逢うことはない。 これは、限りある資源を奪い合うことがないように仕組まれたシステムである。 しかしこのシステムが現在は仇となっている。 このコールドスリープ中、人々は大変深刻な危機に直面するようになった。 どこからとも無く現れた生命「シャール」によって、人々の命が危うくなっているのである。 シャールは主に、人々がコールドスリープをしている間に活動し、コールドスリープ中の人々をさらっていく。 そして、その区画は廃墟と化し、その後にはどこからともなく植物が生え、部屋を埋めていくのである。 **なぜこのようになってしまったか? [#obf00eb9] 箱舟は本来、このような設計になっているわけではない。 これは、ジルがコーザルをけしかけて仕組んだものである。 箱舟には現在、中心にある「プラセンタ」と呼ばれる場所に、アルノサージュ管が据え付けられている。 しかし箱舟設計当初、そこにはG2管が置かれていた。 本来はそのG2管を介してジェノム(コーザル)が箱舟を制御し、長期に渡る航行をする予定だった。 だが現在は、その機能を、ジェノミライ教団とコーザルが、本来以外の使い方で使っている為、このような事になっている。 コーザルの目的は「惑星再生」。 シェール(ラシェーラ人)によって跡形もなく消されてしまった自らの母星シャラノイア(惑星ラシェーラ)を復活させるために、この箱舟を使っている。 具体的にはこうである。 ''「人間のSHエネルギーを利用し、その導力によって箱舟を核とした惑星を創りあげる」'' この箱舟は中心重力船であり、中央部に向かって重力が働いている。また、惑星の仕組みを見習って作っているため、磁力によって有害宇宙線を排除している。 故に、この箱舟の地表に土を盛り、水を湛え、大気を形成することが出来れば、擬似的な惑星となって、星の再生が可能である。 その材料として人間を使っているのである。 **コーザルによる惑星再生の仕組み [#z4ecdd86] では具体的にどうしているのかというと、シャールという人達を使っている。 シャールとは、惑星シャラノイアに住む人達のことで、要するにラシェーラの元住人「ジェノム」のことである。 シェール(ラシェーラ人)が侵略してきたとき、シャール達は争いを拒み、自らの身体を捨てて魂だけを様々な動物たちに宿した。 すなわち、宿り木のような生活をしていた。 そこでまず、シャールの王であるコーザルが行ったのは、そのジェノムたちに「自分だけの身体」を作ってやることだった。 こうしてイオンを利用して外宇宙エネルギーを用い、シャールのボディを作らせて、それにジェノムの魂を埋め込むという事をし続けた。 生まれたシャールはまず、レイバーシャールという位置づけになり、惑星を生成する為に働く。 具体的には、「地下で、人間達を捕まえて水槽に入れ、大地を創りあげる仕事」をするのである。 その後、よく働いたシャールはその仕事から解放され、自らが創りあげている「地上」へと住むことが許される。 地上では、沢山のシャール達が、緑と土の大地に囲まれて、シェール(ラシェーラ人)が侵略してくる前のように、幸せに暮らしているのである。 こうしてシェール(ラシェーラ人)は地下で生かされており、その末路は惑星の土である。 自分が肉になることを知らずに豚舎で餌を食べているブタと同じ。 時期が来れば、スケジュールに沿ってシャールはそのコミュニティを潰し、人々を狩り、惑星復活のために使うのである。 ジルとコーザルは、シェール(ラシェーラ人)がこの事に気づかぬよう、区画同士の隔壁を可能な限り全て閉じ、人々の行き来を出来なくしている。 更に、箱舟の航行情報という嘘の情報を流し、テレビには現在の宇宙空間を映し出し、人々がストレスでおかしくならないように擬似的な森林空間などを映し出すアメニティを充実させている。 それによって殆どのシェールは、何の疑いもなく、新たな自らの安住の地にいち早く着くことを待ち望んでいるのである。 **PS3開始時の、箱舟の状態 [#dff0a9b3] 主人公達がいる区画から、外壁へ出る方向と、中心へ潜る方向にわけて解説する。 ***居住区域 [#meb221d6] まず自分たちのいる区画、居住区画に当たるが、ここは至って健全な、近未来的な典型的宇宙船内部である。 綺麗に行き届いた壁や床と、様々なディスプレイ、そこに映し出される航行情報など、様々な機器が存在する。 居住区域には、いわゆる「家」に当たる就寝エリアと、様々なアメニティのある活動エリアがあり、活動エリアには、生産設備、娯楽設備などがある。 生産設備はその名の通り、農業、工業が出来るように必要最小限の土地、機器などがあり、人々が自由に使える。 実際には、その区画の住人達で取り決めをして使うような形になる。 娯楽設備には様々なものがあり、インナー的なものもあれば、アウター的なものもある。 リラクセーションエリアでは、第六紀末期にすら見ることの出来なかった大森林のディスプレイ(窓越しに森が見える廊下)等もあり、人々の宇宙での孤独感を和らげる。 また、生産品の販売、バザーなどが出来る多目的広場などもある。 これらを1セットとして、それが箱舟全体で100セットほど存在している。そして人々は、100の区画に分かれて住んでいる。 人口は1区画あたり500~1000人である。 ***外壁へ出る方向 [#k66582eb] 基本、居住区域は何層にもなっており、比較的外壁に近い方向にまで居住区域は連なっている。 主人公達が住んでいる区画は、それらの居住区域層の中では丁度中心か、それより少し内側に存在している為、外壁に向かうには何層もの居住区画を昇っていく必要がある。 それらの居住区域は、上にいくほど大変な事になっている。 外壁へ向かうほどに、植物の蔓や根っこが多くはびこるようになっていき、土で通路が埋まっていたりする所もしばしば出てくる。 また、水で埋まっている区画も少なくない。 そして最も外縁部近くの区画ともなると、既にその殆どは土で埋まり、土の中には虫や動物が息づき、巨大な樹の根っこがはびこる。 更に上にいくと、箱舟の外壁と思われる場所に出る。が、ここもまだ地下なのである。 そこからずっと上に穴を掘り、ずっと昇っていくと、ようやく太陽の光を拝む所に辿り着く。 そこには沢山の高い木々が育ち、動物たちが住み、そしてシャール達が生活している。 恒星ベゼルは外宇宙の存在(イオンとネロ)が数千年間いなくなった事により収縮し、通常の姿に戻っている。優しい光を放ち、そして大気は澄んでいて綺麗なのである。 ***中心へ向かう方向 [#y7faa5a3] 居住区域は中心からかなり離れたところでないと作ることが出来ない。 なぜなら、歩いていて「球体の上をグルグル歩いているのが分かる」くらいの場所になると、人が住んでいて気持ち悪くなるからだ。 だから、中心部は、メカニカルな施設が多い。 それは、惑星の航行に必要な推進装置であったり、それらを制御するための大小沢山のG2管であったり、である。 ***支柱部分 [#g857bb20] 球体から突き出た支柱は、シャラノイアでは塔として認識されている。 その支柱の中には、航行に必要な様々な推進設備がある。そしてその最上階である「天文台」という場所に、中央制御室が存在している。 中央制御室は本来、シェール(ラシェーラ人)がジェノムと完全同調して入り、精神世界内でソレイルを手足のように操作するものである。 計画当初の仕様に沿えば、ここにはカノンと、カノンに完全同調したコーザルが入るべきところである。 しかし実際には、その中に寝ているのはイオンであり、完全同調しているのはプレイヤー。 コーザルはそれを外からコントロールしているという状態である。